2005/10/17 米国のエール大学の基金運用
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米国のエール大学の基金運用
梅本 洋一氏 (株)アセットマネジメント・ラボラトリー


こんにちは、アセットマネジメント・ラボラトリーの梅本です。弊社はリスクマネジメント・ラボラトリーグループで証券仲介業を担当しています。保険とともに、弊社の資産運用サービスでお客様がさらにご満足いただけるよう活動しています。

さて、世界で最も頭の良いと言われる人たちはどのような資産運用をしているのでしょうか?今回は「世界の英知が結集する」米国のエール大学の基金運用のお話をご紹介します。

■ 卓越した運用成績
<2002年11月7日 International Herald Tribune紙より>

エール大学の大学基金の過去10年の運用利回りは16.9%と、同期間の大口年金ファンドの運用利回り9.9%を大きく上回った。また、株価下落局面が続いた本年6月30日までの1年間をみても、大学基金は相対的に優れた運用成績を残している。年金ファンドの同期間の平均運用利回りが−6%、また株式投信(ミューチュアル・ファンド)のそれが約−18%であったのに対し、プリンストン大学は+2.2%、エール大学は+0.7%、ハーバード大学は−0.5%という成績を残している。


■ 株式中心の分散投資
【エール大学基金の資産配分 1997年6月現在】

資産種類 資産配分
米国株式 22.5%
米国債券 12.5%
外国株式 12.5%
未公開株式他 32.5%
オリタナティブ投資他 20.0%

■ 「卓越した頭脳」が考える資産運用の常識
エール大学の基金運用担当者によれば、「そもそも債券の利息は運用益として期待していません。債券は経済危機のような非常時に値上がりが期待できる必要最低限の『保険』です。株式を中心に広く分散して資産配分することこそが大学経営の安定に寄与すると考えています。」とのことです。しかも、資産配分の見直しの検討は年に1回しか行わないそうです。

資金の貸し手と借り手が『利益相反』する預金・債券投資
日常、私たちは預金や債券・債券投資信託などで「元本保証」や「確定利息」「毎月の分配金」等を有利な資金運用の重要な条件と判断しています。
しかしながら、預金・債券投資についてエール大学の基金運用担当者によれば、「資金運用者はより高い利息や分配金を求めるのに対して、資金の借り手である銀行や債券の発行者は常により少ない金利で借りようとします。構造的に利益が相反する関係にあるのです。ゆえに預金や債券は、株式に比べ収益は低く資金運用では重視しない」とのことです。



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