2006/12/6 積立投資を始めよう! 時間を味方に付ける。
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積立投資を始めよう! 時間を味方に付ける。
中澤 宏紀氏 (株)アセットマネジメント・ラボラトリー 代表取締役


■ 毎月5万円を以下の利回りで30年間積み立てる(積立総額1800万円) ■

1%の場合

5%

7%

約2100万円

約4160万円

約6100万円

お客様の中には、『まとまった資金ができたら運用を始めたい』とおっしゃる方がかなり多くいらっしゃいますが本当でしょうか? 

ここにともに35歳のAさんとBさんがいます。

Aさんは将来のために毎月5万円の積立を始めました。
一方Bさんは10年後の45歳から毎月7万5千円の積立を開始しました。
仮に65歳まで積立を継続した場合の結果はどうなっているでしょうか?

イメージ図

仮に7%の運用ができた場合

 

積立総額

30年後

Aさん

約1800万円

約6100万円

Bさん
約1800万円
約3908万円

積立金額が同じでも30年後の運用の成果は
約2200万円も違ってきます。





 
時間を味方に付ける投資〜3つのメリット〜 をご説明します。

  (1)複利の力

  (2)高い収益を狙える

 ■ (3)ドルコスト平均法(定時定額買付)


(1)複利の力

複利とは『得られた利益を再投資することにより、そこから更なる利益を生み出すこと』です。
かのアインシュタイン博士は『複利の発見は20世紀最大の発見である』と言っています。

年5%の運用をした場合
はじめ
10年後
20年後
30年後
100万円
163万円
265万円
432万円
10年間の増加金額
63万円
102万円
167万円

同じ投資期間でも生み出されていく収益が増加していくことが分かります。

先ほどのAさん、Bさんの例で言えば、複利の効果をAさんほど享受していないBさんがAさんと同じ成果を出すためには約12万円の積立をする必要があります。

余談ですが最近流行の『毎月分配型ファンド』は、毎月の定期的な分配金が必要でない方にとっては、この複利の効果を放棄するもので長期的には莫大な機会損出となります。

(2)高い収益を狙える

現代投資理論の重要な原則のひとつに、リスクが大きいものほど大きなリターンが期待できる、というものがあります。ここで言うリスクは、表か裏か、白か黒か、といった当たれば大きいが失敗するとゼロになる、というものではなく、値段(価格)の変動の度合のことです。

保有期間
最大
最小
平均
1年
141.5
△46.6
12.6
5年
70.2
△24.2
12.8
10年
29.8
△7.7
12.6
15年
19.2
△1.3
11.6
20年
17.7
2.9
11.8
25年
17.2
4.2
11.6

この表は、1949年5月から2001年4月までの日経平均株価を各期間保有した場合の年率換算リターンの最大・最小・平均を表したものです。保有期間を長くすることでリターンのぶれが安定化していくことが分かります。

つまり、株式のようにリスク(価格の変動の幅)が大きいものであっても長期間保有することで損をする確率は少なくなるということです。

Aさん、Bさんの場合、Bさんであっても20年の投資期間がありますから十分にリスク資産を保有することで高い収益を安心して狙うことができますが、仮に投資期間が5年しかないような場合は価格変動が少ないが期待収益も低い債券や預金に投資せざるを得ません。

今回は触れませんが、さらに国際的な分散投資をすることでより安定性が得られることは言うまでもありません。



(3)ドルコスト平均法(定時定額買付)

上記‡@、‡Aのことがよく理解できてもやはり価格の変動がある株式のような資産に投資をすることをためらう方もいらっしゃいます。

価格の変動にかかわりなく毎月といったように定期的に定額を買い増していく投資方法をドルコスト平均法といいます(通貨のドルとは関係ありません)。

値動きがある金融商品(例えば株式投資信託など)に投資をする場合、一度にすべての資金を投じると、タイミングによっては非常に高い値段で買い付けてしまう可能性があります。

ドルコスト平均法では、時価に関係なく同じ商品を定期的に一定の金額を買い付けることにより価格が安いときには買付口数が多くなり、価格が高いときには買付口数が少なくなります。その結果、平均購入単価を低く抑える効果が期待できます。

ドルコスト平均法による買付
 
1ヶ月目
2ヶ月目
3ヶ月目
4ヶ月目
5ヶ月目
価格
10,000
12,500
10,000
7,50
10,000
購入金額
100,000
100,000
100,000
100,000
100,000
購入口数
10
8
10
13
10
保有口数
10
18
28
41
51
累計購入金額
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
保有資産額
100,000
225,000
280,000
310,000
513,333
損益
0
25,000
△20,000
△90,000
13,333

50万円の一括買付の例
 
1ヶ月目
2ヶ月目
3ヶ月目
4ヶ月目
5ヶ月目
価格
10,000
12,500
10,000
7,50
10,000
購入金額
500,000
0
0
0
0
購入口数
50
0
0
0
0
保有口数
50
50
50
50
50
累計購入金額
500,000
500,000
500,000
500,000
500,000
保有資産額
500,000
625,000
500,000
375,000
500,000
損益
0
125,000
0
△125,000
0

まったく同じ投資金額(合計50万円)と価格の推移ですが、一括買付では保有口数の合計が50口ですが、ドルコスト平均法では51.33口になっています。
また、5ヶ月目の損益は、一括購入では『0』ですが、ドルコスト平均法では『+13,333』になっています。さらに、最大と最小の損益額もドルコスト平均法の方が少なくなっていることが分かります。

つまり価格変動の影響を受けにくくしながら期待できる収益率が高い商品を購入することができるわけです。


まとめ

積立投資は毎月の積立額が少額であっても
  
早くスタートすることで大きな資産形成効果が期待できます。

価格変動が大きい金融商品(株式投資信託など)でも
  
長期間保有することとドルコスト平均法を活用すること
  安心してその恩恵を受けることが可能です。


資産形成にもっとも大きな影響を及ぼすのは
『時間』です。
時間を味方に付ければ誰でもが特別なことをしなくてもお金を殖やすことができます。

金額の多寡にかかわらずすぐに始めてはいかがでしょうか? 

リタイヤメント資金の準備だけでなく、教育資金などの準備にも有効です。

※本コラムは資産運用の考え方を示したもので将来の運用の成果について保証するものではありません。使用している数値は税金や手数料は考慮されていません。


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