2007/2/5 積立投資を始めよう! どんな商品があるの?
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積立投資を始めよう! どんな商品があるの?
中澤 宏紀氏 (株)アセットマネジメント・ラボラトリー 代表取締役



今回は様々な積立商品も含め一般に購入できる商品の特徴を整理してみたいと思います。

様々な商品のメリットやデメリット、特徴などを整理することで今後の商品選択に迷ったり煩わされたりすることがなくなります。

また、商品選択の良し悪しによってはせっかくの投資が成果あるものにならなかったり時間の力を生かせなかったりします。


■特徴把握のポイント

お金は人に貸すことによってのみ 殖えます。

今回は単に商品そのものの表面的な特徴ではなく商品を通じて最終的に誰にどのような形でお金を貸しているか?

それによって生じる特徴について考えてみたいと思います。


 
誰にどのように貸しているか?
特徴
預金
銀行を通じて主に企業に、返済の期限や金額を約束した形で貸し出されている。
中小事業者に対しては保証人や担保付のことが多い。
いつでも決まった金額が返ってくる。収益率は低い。
銀行がつぶれなければ決まった金額が返ってくる。
外貨預金
預金の仕組は外貨であっても円貨であっても一緒。
円貨預金の特徴と同一。為替リスクを取る商品ではもっとも収益率が低い。
定額年金保険
保険会社を通じて主に国債や株式などの有価証券に投資されている。
保険会社がつぶれなければ決まった金額が返ってくる。
国債などに投資をされているので一般には預金より収益率が高いが、直接国債などに投資をするより保険会社を通す分収益率は低くなる。
変額年金保険
保険会社を通じて国債や株式などの有価証券に投資されている。
運用の成果によって収益率は異なる。
場合によっては元本割れをするが、長期的にはインフレに対応することが期待できる。有価証券投資を保険会社を通して行うので投資信託などを利用して行うより手数料が高くなる。
元本確保型のものはさらに手数料が高い。
個別の株式
選択をした企業に返済の時期や金額の約束をしないで貸している。
いわば出世払いでお金を貸しているイメージ。
うまくいけば非常に高い収益が期待できるが失敗すると回復が困難。
時間や情報収集などの手間がかかる。
個別の債券
選択した企業や国に元本据え置きで貸す。担保や保証人はないケースが多い。
投資をした企業や国が破綻しなければ決まった時期に決まった金額が返ってくる。
途中換金の場合は金利の状況によっては元本割れをすることがある。
投資信託
複数の企業に同時に株式や債券といった形で投資する。
個別企業が破綻をしても価格の上でしか影響を受けない。
インフレに対応する。
種類が豊富。
元本割れをすることがある。
手数料が高いものがある。
ものを買っているので誰かにお金を貸しているわけではない。
インフレに強い。
株式などと異なった値動きをする傾向があるので組み合わせると有効。
歴史的な収益率は低い。

金融商品はその裏側に必ず資金の借り手がいます。

誰にどんな形で貸しているのかが分かればリスクや期待できるリターンも判断することができるようになります。


例えば、○○社の株式に投資した場合は次のように表現することができます。

⇒出世払いで○○社にお金を貸した。


●場合によっては出世するまで待たなければならない。

●出世するのが、いつなのかは約束されていない。

●出世に対しての期待度が株価の変動という形で表現される訳なので、値動きは我慢しなければならない。

●ずーっと出世しなければ塩漬けになる可能性もある。

●うまく出世してくれたら約束あり(預金や債券)でお金を貸すより多くのお礼(リターン)をもらえるはずだ。


他の商品(預金や債券など)についてもこのように言い換えてみてはいかがでしょうか?
それぞれの商品の特徴がよく分かると思います。

このように資産運用の原理(お金の貸し借りの原理)で判断すれば大きな間違いをすることはありません。

商品選びでは最終的に

「自分のお金は金融機関や商品を通じて誰に貸しているのか


を見る習慣を付けましょう。


長期の積立てで大切なことは

(1)個別企業(金融機関)の信用リスク (つぶれるか、つぶれないか) は避ける

(2)インフレに負けない (元本割れがなくても結果的に価値は減ってしまいます)

(3)損をしないこと (これは長期でも短期でもですね)




個別企業(金融機関)の健全性に左右されずに、インフレに負けずに購買力を維持するためには、投資信託をつかうのが最善の選択となります。

問題は価格の変動があるのでいざというときに損をしないか、ということではないでしょうか?

過去のデータによれば概ね7年以上なら価格変動ありのものを選んだ方がよい、という結果が出ていますので何年ぐらい取り崩しをしないでよい資金なのかを見極める必要があります。


様々な商品のメリットやデメリット、特徴などを整理し、商品選択することで、「時間」を味方につけましょう!!

金額の多寡にかかわらず「積立投資」をすぐに始めてはいかがでしょうか? 

リタイヤメント資金の準備だけでなく、教育資金などの準備にも有効です。

※本コラムは資産運用の考え方を示したもので将来の運用の成果について保証するものではありません。使用している数値は税金や手数料は考慮されていません。


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