2007/3/9 ライフプランナーのための"差別化できる資産運用の豆知識"
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〜 ライフプランナーのための"差別化できる資産運用の豆知識" 〜
〜銀行や証券会社が顧客に言えない資産運用の真実
「資産運用のノイズ(雑音)」(2)〜
梅本 洋一氏 (株)アセットマネジメント・ラボラトリー


こんにちはアセットマネジメント・ラボラトリーの梅本です。

今回も、運用商品の販売や他社との差別化に役立つ「資産運用の豆知識」をお届けします。

前回の豆知識は「資産運用のノイズ(雑音)でした。お客様に、『「資産運用のノイズ(雑音)」って、知っていますか?』と是非聞いてみてください。

梅本
  「資産運用のノイズ(雑音)」とは?
よく金融機関の店頭ポスター、新聞、金融雑誌やインターネット上で見かける高金利『●●%』、高分配金『◆◆円』、実績騰落率『××%』等の金融商品広告、「今がチャンス」といわんばかりです。

また、最近では、「米国株式、史上▲番目の下げ幅」「世界同時株安か?」「日経平均、■■■円の暴落」等のニュースが新聞紙面、テレビ等で盛んに報道されました。

私どもではこれらを「ノイズ【雑音】」と呼んであまりかかわらないよう投資家にアドバイスしています。なぜなら、それらの「ノイズ」が資産運用の役に立たないことは歴史が証明しているからです。
  流行の金融商品、投資機会は役に立たない「ノイズ【雑音】」である。

前回は、世に喧伝されている

 “はやりの金融商品、投資機会” の変遷を1989年〜1994年で振り返りました。


平成株式ブーム以降、日本株の暴落を目の当たりにして、高金利の貯蓄商品に殺到(ワイドを求める行列)した資産運用環境は1995年ごろから早くも180度変化してゆきます。

今回も歴史を検証しながら、いかに「ノイズ」は役に立たないか、このような 「ノイズ」 無視して運用することがいかに投資家に有益かデータで証明したいと思います。




  金融機関破綻不安〜第一次外貨投資ブーム〜IT株バブルへ

1995年〜1999年に喧伝された金融商品、投資機会も、0%金利と金融機関の信用不安を背景に第一次外貨投資ブームーロシア・ショックそしてIT株式バブルへと猫の目のように移り変わりました。

● 1995年〜1999年の資産運用環境

表
はその年最も成績の良かった資産
は流行の移り変わりをあらわしています。
預貯金(コールレート翌日物)、日本株式(TOPIX)、世界債券(シティG世界国債除日本、円ベース)、世界株式(MSCI-Kokusai除日本、円ベース)


  高金利貯蓄の金融機関の相次ぐ破綻・金融不安→空前の低金利へ
 
● 主な破綻金融機関
 
主な破綻金融機関
人気の金融商品
長信銀
長銀(98年)、日債銀(98年)
ワイド
銀行
北海道拓殖銀行(97年)
-
証券会社
三洋証券(97年)、山一證券(97年)
-
生命保険会社
日産生命(97年)、東邦生命(99年)
個人年金保険
養老保険

95年から99年にかけて破綻した金融機関には、不良債権問題だけではなく、ワイドや個人年金保険など、先の高金利の長期保証の負担増で体力を弱めた例も少なくありませんでしでした。



  低金利・国内金融不安 → 第一次外貨投資ブーム → ロシアショックへ

● 1998年1月時点と1998年8月時点のプロによる為替レンジ予想値と実績値

 
1998年1月予想値
1998年8月予想値
その後の実績値
円安
140円
156円*
147円
円高
118円
135円*
115円
予想時レート
130円
147円
 
(専門家の予想値の平均 日経新聞1998年1月3日と1998年8月12日より)
*1998年8月12日時点より1998年12月末までの予想レンジ


このような国内の低金利、金融 機関の信用不安を背景して、個人投資家も大手機関投資家も巻き込んでの第1次外貨投資ブームが起こりました 。

金融機関、マネー雑誌では外貨預金、外債投信などを喧伝し、
「●●生 保、外債投資を××兆円積み増し」
というような記事が連日、新聞紙面を賑わせました 。

多くの外債投資家が為替動向に最大の関心を持つようになった正にそのタイミングでプロは予想レンジをさ らに円安方向に修正しました。ところが皮肉なことに、予想を修正した1998年8月12日が円安のピークになって しまったのです。その直後のロシア危機で外債投資家は大打撃を被ったのでした。その後もわずか半年間で、 プロの予想レンジを大幅に上回る円の急騰で、外貨預金や(毎月分配型を含む)外債投信は短期間に30% 近くも値下がりしました。


  株価最安値 → IT株式ブーム

 ● 1995年12月以降の日本株投資と世界債券投資(TOPIXとシティ世界国債インデックス)

グラフ
一方、第一次外貨投資ブームが「宴たけなわ」のころ、安値を記録していた日本株が翌年99年にはIT景気を背景に60%も上昇します。「ノイズ【雑音】」は外債投資から一転、「IT革命、株式復活」を一斉に喧伝し始めたのでした(その後、ITバブル崩壊で投資家は再び酢酸を舐めることになります)。



  「ノイズ【雑音】」を無視する資産運用

私どもでは、世に喧伝されている“はやりの金融商品、投資機会”を「ノイズ【雑音】」と呼び、投資家にあまりかかわらないようアドバイスしています。このようについこの間の、低金利・国内金融不安、第一次外貨投資ブーム、ITバブルで痛手を被った読者もいらっしゃるのではないでしょうか。

● 1994年末に100万円投資した場合の投資効果( 5年間 1994年末〜1999年末)

 
日本債券
日本株式
外国債券
外国株式
4資産分散
1999年末時点
130万円
115万円
141万円
313万円
166万円

前回の、1989年末−1994年末の検証では「ノイズ【雑音】」を無視して内外の4資産に分散投資しても、100万円が101万円にしかなっていませんでした。「5年も運用して殖えていないじゃないか」というのが、皆さんの正直な感想だったと思います。

● 1989年末に100万円投資した場合の投資効果( 10年間 1989年末〜1999年末)

 
日本債券
日本株式
外国債券
外国株式
4資産分散
1999年末時点
182万円
64万円
147万円
325万円
167万円
上記の投資効果は、日本債券(野村BPI総合)、日本株式(TOPIX)、世界債券(シティG世界国債除日本、円ベース)、世界株式(MSCI-Kokusai除日本、円ベース)、4資産分散は日本債券25%、日本株式25%、世界債券25%、世界株式25%のポートフォリオで試算。


ところが、投資期間が10年近くになると、「ノイズ【雑音】」を無視する資産運用がその威力を徐 々に発揮してきたのがお分かりいただけます。

しかも、これはまだ序の口に過ぎません。
ところが、本当の威力が発揮されるのはこれからなのです

皆さん、信じられますか?その効果の程を、今後実証していきます。
(私どもでは最低10年と助言しています)


上記の投資効果は、日本債券(野村BPI総合)、日本株式(TOPIX)、世界債券(シティG世界国債除日本、円ベース)、世界株式(MSCI-Kokusai除日本、円ベース)、4資産分散は日本債券25%、日本株式25%、世界債券25%、世界株式25%のポートフォリオで試算。
 資産運用の「ノイズ(雑音)」って知っていますか?

今度も皆さんのクライアントや見込み客に聞いてみてください。

その背景を今回ご紹介したような身近な事例でお話すれば、ほとんどの方は

「ノイズって初めて聞いた」
「変ったこと言うね」
「言われてみれば、なるほどそうかもしれない」

といっていただけます。クライアントや見込み客にたいする運用商品説明や信頼醸成の切り口として活用してください。


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