こんにちは、資産運用アドバイス部門 アセットマネジメント・ラボラトリーの梅本です。
今回も運用商品の販売や他社との差別化に役立つ「資産運用の豆知識」をお届けいたします。
好評いただいております、資産運用のノイズ(雑音)についてのいよいよ最終編です。 |
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■ 流行の金融商品、投資機会は役に立たない「ノイズ【雑音】」である。 |
前回は、世に喧伝されている"はやりの金融商品、投資機会"の変遷を1995年〜1999年で振り返りました。
ワイドや養老保険の高金利貯蓄商品への殺到→金融機関破綻・信用不安→外貨逃避(第一次外貨投資ブーム)→ロシア・アジア通貨危機→インターネット株ブームと変遷をたどった金融商品・投資機会の"流行"はその後も変わり続けます。
今回も歴史を検証しながら、いかに「ノイズ」は役に立たないか、
このような「ノイズ」無視して運用することがいかに投資家に有益かデータで証明したいと思います。
■ ITバブル崩壊 → 第二次外貨投資ブーム → 株式復活? |
2000年〜2004年に喧伝された金融商品、投資機会も猫の目のように移り変わったのがお分かりいただけます。
●2000年〜2004年の資産運用環境
■はその年最も成績の良かった資産
は流行の移り変わりをあらわしています。
預貯金(コールレート翌日物)、日本株式(TOPIX)、世界債券(シティG世界国債除日本、円ベース)、世界株式(MSCI-Kokusai除日本、円ベース)
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アンケート回答者の35%が23,000円以上(バブル後の最高値)を予想した2000年初は、振り返ってみれば、高値から40%近く暴落する最悪のタイミングでした。
株価は続く、米同時多発テロ、アフガン空爆、イラク戦争にかけて7000円台に突入していきます。 |
● 2000年年初時点の日経平均予想(金融専門家55人アンケート結果、日経新聞新春号より)
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日経平均株価予想 |
実際の株価 |
高値 |
最高 26000円 |
20833円(4月)
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平均 22124円(12月) |
最低 19000円 |
安値 |
最高 18500円 |
13182円(12月)
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平均 17073円(1月) |
最低 14000円 |
1999年12月末株価 |
18934円 |
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● 1999年1月以降の世界債券投資と日本株投資
(TOPIX、シティ世界国債インデックス、米ドル、ユーロ)
日本株式がインターネット株ブームたけなわの2000年、
天国から地獄を味わっていたころの外貨投資こそが、その後5年続く(前半は米ドル、後半はユーロに支えられての)第二次外貨投資ブームへの絶好の機会だったことが後に判明します。
現在、ファンドなどを通じた個人の外貨資産は30兆円をはるかに上回り、残高5兆円を越える毎月分配型外債ファンドが登場するまでになっています。
さて、次の最高の投資機会はいつ何処に訪れるのでしょうか?
資産運用では、今日の最高は明日の最悪、今日の最悪は明日の最高は繰り返します。
つまりその"流行"を損しないで追いかけるのは非常に難しいということなのです。
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私どもでは、世に喧伝されている"はやりの金融商品、投資機会"を
「ノイズ【雑音】」
と呼び、投資家にあまりかかわらないようアドバイスしています。
現在、毎月分配型外債投信のみで安心しきっていらっしゃる方、
日本株投資のタイミングを計っていらっしゃる方、
インドだ、BRIC'Sだ、中国だ、REITだと意気込んでいらっしゃる方もいるかもしれません。
しかしながら、"はやりの金融商品、投資機会"は常に変わり、
しかも、変わり目は誰も予測できないことは歴史が教えてくれます。
●1999年末に100万円投資した場合の投資効果( 5年間 2000年末〜2004年末)
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日本債券 |
日本株式 |
外国債券 |
外国株式 |
4資産分散 |
2004年末時点 |
109万円 |
106万円 |
187万円 |
123万円 |
131万円 |
前回の1989年末〜1999年末の10年間の検証では、「ノイズ【雑音】」を無視して内外の4資産に分散投資したら100万円が167万円なって、威力が発揮されてきたことをご覧いただきました。しかしながら「10年間、日本債券で運用したら182万円、もっと殖えているじゃないか」というのが、皆さんの本音の感想だったかもしれません。
●1989年末に100万円投資した場合の投資効果( 15年間 1989年末〜2004年末)
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日本債券 |
日本株式 |
外国債券 |
外国株式 |
4資産分散 |
2004年末時点 |
199万円 |
68万円 |
275万円 |
402万円 |
219万円 |
上記の投資効果は、日本債券(野村BPI総合)、日本株式(TOPIX)、世界債券(シティG世界国債除日本、円ベース)、世界株式(MSCI-Kokusai除日本、円ベース)、4資産分散は日本債券25%、日本株式25%、世界債券25%、世界株式25%のポートフォリオで試算。
ところが、投資期間が10年を超えると、「ノイズ【雑音】」を無視する資産運用がその威力がはっきりお分かりいただけます。
世の"流行"や"浮き沈み"に翻弄されることなく、安心・安定してこれだけの成果を得られる
のは心理的にも"おつり"がくるとはいえないでしょうか。
しかも今後、日本債券の低金利継続や日本株式の「平均回帰」も想定される現状では、
これはまだ序の口だと考えられます。
これが、「ノイズ【雑音】を無視」して、
「分散投資」して「待つ」
という投資手法を専門家が
「フリーランチ」
と密かに呼ぶ理由なのです。
皆さんは信じられますか?(私どもでは、最低でも10年投資を投資家に対して助言しています。)
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今回で資産運用の「ノイズ【雑音】」をテーマにしたコラムは終了します。 次回以降は、どうして、「分散」して「待つ」ことで資産運用の「フリーランチ」が食べられるのか。「フリーランチ」を成り立たせている原理原則を探って見たいと思います。
是非皆さんのクライアントや見込客に聴いてみて下さい。 「ノイズってはじめて聴いた」 「変わったこと言うね」 「言われてみれば、なるほどそうかもしれない」
と言っていただけます。
クライアントや見込客に対する運用商品説明や信頼醸成の切り口として活用してください。
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