2005/8/15 開業時の医師と家族の気持ち
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開業時の医師と家族の気持ち
尾上 千晶氏 KPMGエムエムシー(株)


開業時の医師と家族の気持ち

『開業時の医師とご家族のお気持ち』
今回は、開業時の【医師と家族のお気持ち】について、お話したいと思います。

開業時に、先生ご本人のお気持ちと、ご家族のお気持ちは、微妙に異なります。
開業と一言でいっても、

(1)開業の動機
(2)今までの、勤務先との関係
(3)ご家族関係
(4)資金関係

いろいろな、条件が重なって、【開業の決断】がされるのですが、
ご家族としては、いろいろな思いがあります。
最近の事例について、報告します。

『先生お一人だけの決断』
先生と、奥様ともに、医師でした。
先生は、近隣の医院で勤務後、開業地を見つけて開業されようとしました。
資金は、3000万円。(とても堅実な方です)
本当に堅実な先生は、失敗しても大丈夫なように、最小限度の設備での
スタートを希望されました。

(1)内装も、借りたところに、そのまま間仕切りのみ。
(2)広告しない
(3)HPもなし
(4)機械は、ひとつだけ、リース

【同業医師である奥様の反応】
とても、困っていらっしゃいました。
開業自体は反対しないけれど、気持ちが晴れやかになれないという感じです。
あえていうのなら心配といった感じです。

先生の、診療に対する姿勢と、患者様からの信頼は十分理解しているけれど
他のクリニックが、待合室等に居心地のよい環境を作っているのに、
戦っていけるのだろうか・・・と不安な感じでした。

【その後】
前の勤務先で、たくさんの患者様とのお付き合いがあることが判明。
開業後も一定数の患者様が見込めることが、わかりました。
また、先生の診療科目の特殊性から安定的な経営が予測されました。
奥様からは、【私の選んだ、絵を飾りたい】と気持ちが出始めました。

信頼している、ご主人だから、胸をはって、【開業の日】を迎えたいとの
お気持ちがよくわかりました。

特に、同じ医師として、先生の実力がわかっているため、
余計思いは強いものがありました。

現在、開業に向けて、ご夫婦一丸となって頑張ってらっしゃいます。
(奥様のお好きな絵も、準備されています)

『ご家族の応援』
■ご家族の存在
ドクターとお話していると、ときどき感じることがあります。
ご家族の存在です。

開業を考える先生は、35歳から、60歳くらいの方が多いです。
特に、一番多いのは、42歳くらいの方でしょう。
仕事に対する自信と、患者さんに対するアピール度から考えると、充実した
年代だと思います。

特に、ご家族の方の応援がある先生は、開業までの不安定な期間の充実度が
高いと感じています。

山あり谷あり、気持ちには、波があります。
人間ですから、いつも前向きというわけには、いきません。
  
でも、ご家族の応援がある先生は、立ち直りも早い様子です。
特に、開業は、孤独感が強くなり勝ちです。

一番身近な人が、一番の応援者になっていただけたら、心強いです。
それは、医師にかぎらず、どんな業種の方でも、当てはまるのではないかと
思っています。

開業の意思をご家族に伝え、協力をいただくことが大切だと思います。



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