2007/4/25 クリニックの成長段階と経営課題 |
クリニックの成長段階と経営課題 松野 亮氏 CSアカウンティング株式会社 経営企画室事業開発 グループリーダー |
当たり前ですが、開業当初は患者さんがいません。そのため、開業医の先生は、患者を増やすことに一生懸命です。 財政的には、開業後1年程度経過すると単月ベースでは売り上げが増加し、利益が出る状況になります。 しかしながら、開業当初の数ヶ月間は患者数が極端に少なく、費用ばかり出て行っているため、1年間トータルでは所得は概ね0になります。所得もなく、余剰資金もほとんどない状況ですので、経営的には非常に苦しい状況です。 この頃の開業医は、クリニックの運営に自信がないため、「他のクリニックのやり方」については、強い関心を持っています。
この時期になると安定した来院患者数を確保でき、売り上げが増加し、安定してきます。 この時期は(1)増患対策 (2)スタッフの雇用対策の2つが課題となります。 クリニックでは一般的に2年程度でスタッフが退職することが多く、多くのクリニックでは、常時スタッフを募集せざるを得ない状況になります。 特にスタッフが一斉に退職する事態になると一気に患者離れが進むため、雇用対策は非常に重要になります。 また、この時期は、売上の増加に伴い、利益が増加していきますが、所得税の納税負担も一気に増えるため、あまり手元にはお金が残らない状況です。 そのため、この時期の開業医は、スタッフの雇用対策や税金問題に強い関心を示すようになってきます。
この時期になると、患者数もかなり増え、経営もかなり安定します。 この時期は利益・キャッシュフロー共に安定し、財政上の問題はかなり少なくなります。 この頃には所得も3,000万円以上になってくることが多いため、医療法人に組織変更を検討する時期になります。 この時期の開業医は、納税額が増加していることもあり、医療法人化に興味を持っていることが多いといえます。
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