2007/7/13 医療法人化のきっかけとアプローチ |
医療法改正のインパクト 松野 亮氏 CSアカウンティング株式会社 経営企画室事業開発 グループリーダー |
一般的に2〜3年程度経つと法人化を考え始める開業医が多いのが現状です。 今回は開業医の法人化の動機を考え、どのようにアプローチをするべきか考えてみましょう。 |
平成19年4月より新しい医療法がスタートしました。
医療法人制度改正の中で一番影響が大きいのは、解散時の残余財産の帰属先の制限等医療法人の非営利性の徹底(具体的には医療法人の残余財産の取り扱い)です。 今回は、医療法人解散時の残余財産の帰属先が限定され、出資者が除外されました。 ただ、経過措置として、平成19年4月1日までに設立の医療法人については、『当分の間』は適用されません。 また、出資者の財産権侵害を回避し自主的移行としますが、変更後は後戻りが禁止になっています。 元々医療法人の多くは、個人診療所から始まり法人化したところが殆どです。 医療法人は、国等から補助金を受けて運営しているわけではなく、個人の社員の出資により運営されているわけですから、当然ながら、医療法人は、自分のものだと医療法人の理事長は考えております。 医療法人の残余財産が、解散したら国や地方公共団体に帰属するというのは、医療法人の理事長にとっては、とんでもない改正であると感じるのは間違いないところだと思います。
医療法人は配当が禁止されており、配当を行った場合には20万円以下の過料に処せられます。 また、配当金額が大きく、その行為が悪質と判断される場合には、法理論上、都道府県知事による医療法人の業務停止命令も考えられます。 医療法人は配当ができないため、医療法人の業績が黒字の場合には、財産は大きくなり続けます。そのため、解散時に出資者に残余財産が帰属しないということは、かなりの影響を与えることとなります。
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