仕事柄、“優秀なセールスパーソン”と“苦労をしているセールスパーソン”との違いは何か?ということをよく考えます。
開拓したマーケット、身に付けた販売技術、もちろんいろいろな要素が複雑に絡み合っていると思いますが、その中に『目の前のお客様の心理を読む』という要素も少なからずあるように思えます。
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私どもでは保険会社の社員さんや代理店さん向けに「保険設計トレーニング」という研修をさせていただくことが多いのですが、そこで設計してくださる保険は、保障内容はもちろん素晴らしいのですが、保険料も素晴らしく“高い”設計がよく出てきます。
確かに“ベストな保険を提案しろ”と教わりますが、そのような設計を見るたびに「お客様がどのような気持ちでプレゼンを受けているのかに思いを馳せたことがあるのかな?」と考えてしまいます。
皆さんはプレゼン中にお客様の気持ちがどのように変化していくかがわかりますか?また、そのようなことを考えたことがありますか?
私はお客様の気持ちについては結構敏感に感じ取れると思っています。
というのは、当社でロープレDVDを作成する時には必ず私が“お客様役”を演じており、その際にいつも気を付けていることは『“お客様”になりきること』、つまり、保険のことなど何も知らないずぶの素人になって(実際には不可能ですが)ロールプレイに臨むことなのです。
ちなみに、先ほどのような“立派な”保険をプレゼンされる時のお客様の気持ちは、慨ね次のように動くのではないでしょうか。
「一番重要なのは保障ではないですか?」というセールスパーソンの問いかけに、「そう言われてみれば確かにその通りだ」と思いつつも、あまりその問いかけに共鳴してしまうと、セールスパーソンの術中にハマりそうで、「なるほどね・・・」程度の反応しか出さない。(押し付けがましくなく、“良き相談者”のような語り口調で攻められると、ついつい強く賛同してしまうこともあるが)
大きな必要保障額を見せられ、「やっぱりそういう保障額が必要か」と思い、自分の加入保険の額と比べると、「うわぁ〜、(大変だ)」と思う反面自分を正当化(知らなかった、保険料が払えない等)したくなる。
「この保険は完璧だ!」と思うが、その気持ち以上に、「でも、高いんだろうな。そんなに(保険料を)払えないよ」という思いが強くなり、段々引き始める。
「やっぱり・・・こんなにするのか」と思った瞬間から、『どうやって断ればお互いに嫌な思いをしないだろう』と考え始め、その後のセールスパーソンの説明を聞き逃すことも。
“高い”という理由で断ると、「家族思いじゃない」と言われそうで、かなり気持ちが重くなる。
いかがですか?
これが、多くの場合私(お客様)が辿る心の変化です。
ただし、当社『サバトレ』で提案しているような“現在加入している保険と同レベル”の安い保険料が提示されたとき、あるいは十分払える保険料だったときには、“ホッ”としたり、場合によっては“嬉しく”なってしまって、ついつい身を乗り出してしまったりします。
プラン説明の段階で少し気持ちが引き始めていたので、その分余計に契約に近づいてしまう感じがします。
いずれにしても、成績の良いセールスパーソンはこういったお客様の心の動きをかなり正確に掴みながら面談を進めているのではないでしょうか。
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