今回は医療法人の合理的な退職金額の設定のために、ドクターは何歳まで稼ぐのか?
という点についてお話をしたいと思います。
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一般的に、税務上適正な退職金は「最終月額報酬×在職年数×功績倍率」の功績倍率方で算出するのが一般的です。
退職金として支払う額から逆算して退職金目的で保険をかけていくことは良くあることですが、よく陥りがちなところがあります。
それは、
「退職金の支払予定額を決めるときに、現在の役員報酬をベースにして考えている」
ということです。
私の経験則では、ほとんどのドクターが現在の報酬を基に将来の退職金の額をイメージします。
ところが、実際には、どんな人でも年齢と共に気力・体力が落ちてきます。
開業医の場合には、開業医が働けなくなると他に稼ぐ人がいないため、法人の売上は当然落ちてきます。法人の売上が落ちてくると役員報酬も下げざるを得なくなります。
最終的な税務上の適正退職金額は、最終月額報酬が基準になりますので、最終月額報酬が少なければ支給できる退職金も当然少なくなります。
当然ながら75歳で退職をするのであれば、75歳の時点の役員報酬をイメージして退職金の総額を決めるほうが良いということになります。
※必ず最終月額報酬に基づいて退職金支給をしなければならないということはありませんが、税務署との見解の相違が発生するリスクが高くなるため、最終月額報酬をベースにした退職金の算出をお薦めします。
平成19年12月28日に日本医師会総合政策研究機構より、非常に興味深いワーキングペーパーが発表されました。
「診療所開設者の年収に関する調査・分析(2006年分)」です。
ここでは、ドクターの手取り収入について分析しています。
開業医の手取り収入については、次の結果となりました。
※このワーキングペーパーにおける手取り収入とは、「その年の収入金額のうち、個人の消費、又は貯蓄に充てることができる金額」になります。
つまり、借入金返済や税金等は全て織り込み済みの金額になります。
年齢階級別平均手取り年収金額(開業医の開設年齢平均は41歳)
35〜39歳 13.6百万円
40〜44歳 12.7百万円
45〜49歳 11.6百万円
50〜54歳 13.3百万円
55〜59歳 14.7百万円
60〜64歳 13.0百万円
65〜69歳 10.5百万円
70〜74歳 10.8百万円
75〜79歳 6.1百万円
80歳〜 4.3百万円 |
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