2008/8/29 今年の診療報酬改定、 調べてみたらとんでもない減収に!
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今年の診療報酬改定、調べてみたらとんでもない減収に!
安川 聡氏
(株) セールスエデュケーション・ラボラトリー 代表取締役



セールスエデュケーション・ラボラトリーの安川です。

今回はドクターマーケットの最新情報をお届けいたします。

この話、開業されているドクターへの縦軸(信頼醸成)として使えますし、生命保険の見直しに繋がる話でもあります。
是非ご一読ください。


安川 聡


開業医の売上単価を決めてしまう診療報酬は、2年に1度改定されます。
直近では今年の4月に改定されました。
診療報酬の改定は、総医療費が抑制される方向ですので、決してドクターにとっていい改定にはなりません。
お医者様に聞くと口を揃えて皆さん“改悪”だと言われます。


今回の改定の目玉は、診療所の医師が再診時に算定できる「外来管理加算」に“5分ルール”を導入したことです。
わかりやすく言うと、患者さんが同じ病気で2度目以降来院したとき(これを再診といいます)に、5分以上診察しなければ520円の外来管理加算を徴収してはいけないというルールです。
この5分ルールを含めて、今回の診療報酬改定は診療所から約200億円の医療費削減を図ろうという試算で行われたものです。
つまり、この200億円を開業の診療所から取上げ、勤務医確保対策などのための病院の支援に使おうというものです。

そこで、実態を日本医師会(日医)と全国保険医団体連合会(保団連)が調べたのですが、全く同じ結果となりました。
ともに年間800億円もの金額が減収になるという調査結果です。
これは、診療所数約96,000軒で割れば1件あたり年間83万円、全体で売上の1.85%ものマイナスになってしまいます。
これはすべての診療所の平均ですので、特に習慣病などの再診の多い内科などでは、もっと大きな打撃を受けているのが実態でしょう。
診療所全体の約5割では再診患者の診察時間が5分以内となっているという調査結果もありますので、このままでは年間1,500億円を超える減収となるかもしれないと危惧しています。

患者側から見れば、診療報酬が安くなる話なのですが、ここは生命保険の見込客としての医師側に立って、考えてみましょう。
ある内科開業医のブログに次のように書いてありました。これが実感なんでしょうね。

外来管理加算がとれる再診患者が1日50人だとして、全員から取れなくなったとすると

・外来管理加算520円、1ヶ月の診療日数約20日として
520円×50人×20日×12ヶ月=624万円

・全員ではなく、2人に1人の方から取れなくなったとしても
520円×50人×1/2×20日×12ヶ月=312万円
    
患者さんが少ないクリニックを想定して、再診患者25人/日として

・そのうち少なく見積もって、3人に1人の方から外来管理加算が取れなかったとしても
520円×25人×1/3×20日×12ヶ月=104万円
   

1人1回520円とはいっても、実際に計算してみるとこれだけの減収となってしまうのです。



そこで、開業のドクターにお会いできたら、今年の診療報酬改定の影響を上記のように話して、実際の計算を見せてあげてください。必ずや関心を示してくれ、そんな話をしてくれる皆様に信頼の感情が湧いてくるはずです。
「この人の話は聞いてみる価値があるなぁ」と思われたら、生命保険の現状確認を提案してみましょう。
その減収分を取り返せるかどうかはわからないものの、現状の生命保険の見直しの価値は伝わるでしょう。

是非、このような旬な話題から生命保険の話に進展させることにチャレンジしてみてください。



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