2011/8/19 ステップアップ新講座鷹野先生のまとめ
メルマガアーカイブTOPに戻る



ステップアップ新講座鷹野先生のまとめ
鷹野 保雄氏 株式会社日本資産総研代表取締役 ・税理士



 6月2日に開催されましたステップアップ・トレーニングセミナーで講師を務めました鷹野です。当日は多くの方々に受講いただき、ありがとうございます。

講義の中でお伝えしたかった点について少し触れさせていただきます。
鷹野 保雄

<最適な資産環境の構築>

有効的に資産の最適配置を考えるならば不動産・金融資産・保険・税務の各ポジションを考慮した最適な資産環境を構築しなければなりません。
それは単に資産を守り増やすという狭い視点でなく、資産の組み替えも視野に入れた総合的資産コンサルティングです。

事実、昨今の経済情勢のなか、個人の不動産投資が活況を呈しています。
資産家は次代の資産の最適配置を睨み、資産の組み替えを実践しているのです。
現在の経済環境がそのチャンスを与えているのですが、この経済環境もいつまでも続くわけではありません。常に未来を見定めて行動していかなくてはなりません。

変化の激しい経済環境の中で、未来を先取りする最適な資産環境を構築しなければならないのです。

たとえば、不動産の有効活用であれば、駐車場・倉庫・店舗・マンションなど用途を検討すると同時に、法人事業か個人事業かを検討しなければなりません。
その複合的視点が、最適な資産環境を導き出すのです。
<国税三法の枠を越える視点>

個人課税は、生まれてから死ぬまでのすべての生活自体を課税対象としています。
それが所得税です。

子供が生まれれば扶養控除、病気になれば医療費控除、住宅を取得すればローン控除が適用になります。まさに人生課税です。

しかし、法人課税は、営利を目的とした合理的な経済人としての経済取引を課税対象としています。
その経済活動の結果を決算書に集約し、確定した決算書を基礎に法人税法を適用し、課税の公平性を担保しています。
所得税と法人税は、その基本理念と税法の立っている基盤がまったく違うのです。
同じことをしても税法が違えば税金が違うのは当たり前です。
これは節税対策ではなく、経済行為主体の選択の問題なのです。

そして法人には相続がありませんが、個人には相続があります。
相続により、財産税として、また一生涯の税務の精算的意味で相続税が課税されます。
これは純然たる資産評価を課税対象としています。
所得税・法人税は、期間損益計算を対象とした収入課税です。
そして、相続税は資産評価課税です。

また別の視点で見れば、所得税・相続税は個人課税であり、法人税は法人課税です。
コンサルティングには、この税法の仕組みの違いを見る目が要求されるのです。
<資産コンサルティングの役割>

資産コンサルティングにおいては、すべての税務を勘案して資産環境を構築しなければなりません。その全体のシミュレーションが資産コンサルティングの役割です。

私がお伝えしたい「最適な資産環境の構築」とは、絵に描いた無機質なものでなく、血の通った人間関係のうえに立つものです。義理と人情とともに、感情や損得もあります。
そうした中で、財産分割という本来不平等なものをどのように公平にするかも勘案しなければなりません。
実行性のある対策案とは、そういうものなのです。

私のこれまでの税理士業務において、お客様をいかに救えるかを模索してきました。
税務だけの解決が本当の解決にはなりません。
資金的な収支もあれば、親族間での感情的なもつれもあります。

FP業務の必要性とそのニーズが注目されていますが、総合的な対応により、最適な資産環境の構築ができる視点を身につけていただければと考えております。



PAGE TOP