2007/3/23 退職金問題解決スキーム |
退職金問題解決スキーム 多田 智子氏 コンセルト社会保険労務士法人 代表社員 |
「退職金倒産!?」こんな言葉を耳にするようになり、企業は退職金改革を余儀なくされています。 そもそも日本の企業の約90%が退職金の規程を設けており、その中で5社に1社が3年以内に退職金制度を改革しようと考えています。 言い換えれば、5社に1社が退職金問題に悩んでいるのです。 皆さんのお知り合いの企業もきっと退職金改革を検討しているのではないでしょうか?
いきなり積立方法の説明ではなくクライアントの状況を把握した上で問題点を分析していきます。 今後の退職金支払い予定などを正確に把握することからスタートです。 添付しております、こちらのチラシ【PDF】を普段の訪問時にお渡しして退職金問題について少し話をしてみてください。お客様は2種類に分かれる傾向にあります。 冒頭に書いたように「5社に1社」が問題意識を持っている時代ですから「誰かに相談したかった」とすぐに反応される企業。実は考えないといけないと思っているけどまだ先とあまり関心がない企業。と非常に反応がわかりやすのも退職金案件の特長です。 ここで、(ニーズがないのか)と思ってしまうのは早いのです。 退職金問題の深刻さに企業は遅かれ早かれ必ず気がつきます。そのときに「彼に相談してみよう」ということが多々起こるのです。 実は退職金問題について相談できる先(専門で相談にのっている先生がいない)が実際は非常に少ないという現実があるのです。 さて、話は戻り問題意識を持っている企業には次のステップに入ります。
大問題発覚 団塊世代の退職金が払えない! 平成何年に何人の退職者が出て、退職金がいくらになるか、という根本的なことを実は企業は把握していないのです。 最初のアプローチは「今後、退職金の額がどうなっていくか」を診断することです。 例を見てください。診断結果の数字(1-1)【PDF】を見ると、退職者1人につき、だいたい2000万円から2300万円を支払う規程とわかります。 実際にこのような結果を見た時に、社長はその金額に驚くことが非常に多くみられます。 そして次にいつ、いくら支払うのかをチェックします。 この例では、平成16年には退職者がいないため、退職金は0円でした。 ところが、平成17年には退職金の支払いが始まり、平成22年と23年には退職金の総額が1億円を超えます。1億円を超える年が2年間も続くことで企業側は団塊世代の一斉退職に耐えられるかしっかり把握しなければなりません。 ここまで分かれば次は問題解決方法のご提案です。
問題その2 どうやって支払ったらいいの?
緊急の問題(積立不足)を解決し、次はいよいよ退職金制度自体の抜本解決に着手します。 どのようなスケジュールで新しい退職金制度を構築し、どのタイミングで従業員に説明するのかを示してあげることで企業経営者を安心させてあげることができます。 このように退職金診断→積立不足の解決→退職金制度の改革とここまでは非常にスピード感もって進めていきますが、実は問題解決する私たちがそもそも考えなければならないことがあります。それは「なぜこの企業は退職金を渡すのか?」です。決して小さな額ではない退職金をなぜ企業は払うのか?本当の意味で問題解決提案をするにはこの基本概念を会社と一緒に考え決定しておく必要があります。 積立不足が発覚すると企業経営者は一気に積立方法選択に走りたがります。もちろんそのお気持ちはよく理解できます。約束した金額が払えないなど社長としてはあってはならないことですから。退職金診断の積立不足額をご説明したときに企業経営者の表情を拝見しますと非常に危機迫る表情をされるのを現場でいつも見ています。 |
退職金問題は企業内では絶対的に解決できない面倒な問題です。 |