2007/5/9 投資期間を考える***長期投資の効果***
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投資期間を考える***長期投資の効果***
中澤 宏紀氏 (株)アセットマネジメント・ラボラトリー 代表取締役


投資期間を考える***長期投資の効果***


前回のコラムで国際分散投資の効果についてお話しました。

国際分散投資をした場合、単独の資産クラスに投資をする場合に比べ価格の変動の幅は少なくなりますが、1年といった短い期間で見るとマイナスのパフォーマンスの年があることは否定できません。

つまり来年取り崩しをするような資金を投資するということは”不適切である”ということなんです。

では何年ぐらい後に取り崩す予定の資金なら投資に適していると思いますか?

一緒に考えていきましょう。

まずは下の5つのグラフをご覧下さい。


■グラフ1


■グラフ2


■グラフ3


■グラフ4


■グラフ5



これらのグラフは1984年12月から2005年10月までの間、国際分散投資(日本株式25%:外国株式25%:国内債券25%:外国債券25%)をした場合の投資期間ごとのパフォーマンス(年換算収益率)を表したものです。

グラフを見てもわかるように短い期間の投資ではグラフの上下の差が大きく、投資期間を長くすると平均的になっていますよね。これを数字で表すと以下のようになります。
(年換算リターン) 1年保有 3年保有 5年保有 7年保有 10年保有
最大リターン 32.55% 29.34% 17.77% 13.20% 10.77
最小リターン △19.72% △5.43% △2.24% 0.96% 4.08%
平均リターン 6.00% 5.78% 5.90% 6.26% 7.35%
マイナスの個数 77 50 29 0 0
データの個数 239 215 190 167 131


1年の投資の場合、この期間(85年12月〜05年10月)で最高の1年に当たればわずか1年で32.55%も殖えていましたが、一方、最もついていない年に当たった場合は20%近くのマイナスになってしまっています。239の月数のうち77回はマイナスになっているという事実にお気づきになりましたか?
5年の投資の場合、この期間で最高の5年間に当たった場合は約88%(17.77%×5年)も殖えていましたが、最低の5年間に当たった場合は約11%(2.24%×5年)減っていますよね。投資をするに当たっていい時期かどうかはとても気になります。
でも、10年といった比較的長い単位で考えると逆に投資時期が与える影響は非常に少ないと考えることもできるのではないでしょうか。


投資で失敗をしない為には上手によい投資時期を見つけるよりも、そもそも何年ぐらい投資可能な資金なのかを見極めることの方がずっと大切なんです。

例えば5年後の教育資金の準備の為に上記配分の投資をした場合、およそ6回に1回はマイナスが生じる可能性があることが上の表からわかりますよね。じゃあ、マイナスを避けるためにはどうすればいいのか・・・。という疑問がでてくるはずです。

その答えは実に簡単です。よりコンサバティブな配分(短い期間でマイナスがなくなる)の投資をすればいいんです!!また、10年以上先の老後資金の準備であればもっとアグレッシブ(より上下の差が大きい)な組合せが出来ますよね。


まとめ


今回のお話で最も重要なポイントは、「投資をする場合に最も大切なのは投資期間の見立てを正しくすること」です。



当コラムは、投資に対する考え方を示したものであり、具体的な投資商品の購入や売却を推奨するものではありません。実際のご投資に当たってはご自身のご判断でされるようお願いいたします。また、当コラムに記載されている情報の正確性についてはできる限り万全をつくしていますが、その正確性を保証するものではありません。個別の投資商品については別途詳細を記載した資料(目論見書等)をご覧ください。



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